能動態と受動態の使い分け


 能動態と受動態。これらはいずれも中学英語で習う文法項目ですが、中には「どんなのだったっけ?」と思う方もおられるしれませんので、以下に例文を挙げます。

(例文1)Soseki wrote “Bochan”.『漱石は「坊っちゃん」を書いた』

 この文の構造を見ますと、Sosekiが主語、wrote(*write「~を書く」の過去形)が動詞、”Bochan”が目的語です。SVOの文なので、能動態です。

 では、もう一つ、例文を挙げます。

(例文2)”Bochan” was written by Soseki.『「坊っちゃん」は漱石によって書かれた』

 この文の構造を見ますと、”Bochan”が主語、was written(*writtenはwriteの過去分詞形)が動詞です。動詞が「be動詞+動詞の過去分詞形」なので、受動態です。

 さて、これら2つの文。文法的にはどちらも正しい文です。但し、意味合いが少し異なります。

 例文1は「作家」に焦点が当てられているのに対して、例文2は「作品」に焦点が当てられています。

 では、ここで、それぞれの使い方を見てみましょう。

(会話1)

A: Who is your favorite author?「あなたのお気に入りの作家は誰ですか?」

B: I like Soseki very much.「私は漱石が大好きです」。

A: He wrote “Bochan”, didn’t he?『彼は「坊っちゃん」を書きましたよね?』

B: Yes, he did.「はい、そうです」。

(会話2)

A: What is your favorite book?「あなたのお気に入りの本は何ですか?」

B: I like “Bochan” very much.『私は「坊っちゃん」が大好きです』。

A: It was written by Soseki, wasn’t it?「それは漱石によって書かれましたよね?」

B: Yes, it was.「はい、そうです」。

 会話1では、He wrote “Bochan”, didn’t he? と、能動態の文が使われています。これは、先にも述べたように「作家」に焦点が当てられているからです。ちなみに、ここでのHeはSosekiを指しています。

 一方、会話2では、It was written by Soseki, wasn’t it? と、受動態の文が使われています。これは、先にも述べたように「作品」に焦点が当てられているからです。なお、ここでのItはBochanを指しています。

 このように、何に焦点を当てるかによって、能動態か受動態かが決まるということです。この点を意識しながら、英会話や英作文の際、うまく使い分けをして頂ければと思います。

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