英語講師の将来性について(1)


 「英語力を活かせる仕事を!」と考え、「英語講師になりたい!」と考える方が少なくありません。しかし、「英語講師になりたい!」という気持ちとは裏腹に、「英語講師っていう職業に、果たして将来性はあるのか?」と不安に感じる方も少なくないようです。

 実際、AI(人工知能)や自動翻訳など、テクノロジーの進化に伴い、日本語で考えたことを瞬時に英訳することが可能になりつつあります。例えば、「Google翻訳」一つをとっても、利用回数が増えるに従い、データが蓄積され、その分、以前と比べると、翻訳の精度も上がっているように感じます。今後、自動翻訳の精度が増々高まることも予想されます。そうなると、我々は、わざわざ時間をかけて英語を学ぶ必要がなくなるのではないか。そういった予想もたちます。

 かつて、街にはそろばん教室が数多く存在しました。実際、私が子供の頃、そろばんを習っている子が結構いました。しかし、電卓やコンピューターの発達により、そろばんそのものが不要になり、そろばん教室は、街から姿を消しました。英語も同じようになるのではないか。こうした不安は、英語教員志望者はもちろん、現役英語教師にもあります。私も「AIに仕事を奪われるのでは」といった不安を抱いています。

 ただ、そろばんと違うのは、「言葉は正解が一つではない」という点です。例えば、1+1は、誰がどの角度から解いても、答えは「2」です。でも、言葉は、何かを伝える際、色んな言い方があります。その言い方次第で、ていねいになれば、失礼になり得ます。そこには、話者である人間の「判断」が必要です。1+1=2の答えを出すことに対しては、人間の「判断」は要りません。ここが、そろばんと英語の大きな違いだと考えます。

 ですから、自動翻訳機が、複数の表現方法を示してくれたとしても、それを選択するのは、ユーザーである人間です。また、それを選択するには、どの表現がその場面に最もマッチするのかといった判断ができなくてはなりません。それには、英語の知識が必要になります。つまり、テクノロジーが進化したとしても、最終的なところで、人間の判断を要するものについては、人間の学習の必要性はなくならないと考えるのが妥当ではないでしょうか。

 よって、英語学習の必要性はなくならない。ひいては、英語講師の職業もなくならない。というのが、現時点での私の見立てです。ちょっと楽観的過ぎるかもしれませんが・・・。

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