「but」と「however」の違い


 生徒が書いた英文エッセイを添削していて、最も頻繁に修正を入れる項目の一つが、表題にあるbutとhoweverです。この二つは、共に「しかし」という逆説の意味を持つ語ですが、品詞が異なるため、用法も異なります。本項では、この二つの違いを論じて参ります。

 まず、品詞の違い。butは(等位)接続詞、howeverは接続副詞、です。「接続詞」と「接続副詞」の違いは何か。接続詞は、2つの節を結びつける役割を担うのに対して、接続副詞は、独立した2つの文を結びつける役割を担います。

 言葉での説明だけだとイメージが沸かないと思いますので、以下に例を挙げます。「昨日、激しく雨が降っていたが、野球の試合は予定通り行われた」という文を英語にするとどうなるか。

 まず、butを使うと、①It was raining heavily yesterday, but the ball game was held as scheduled. となります。次に、howeverを使うと、It was raining heavily yesterday. However, the ball game was held as scheduled. となります。

 この2つの例文を見ると、両者の使い方の違いは、一目瞭然ですね。butは文の途中で使われていて、前後に2つの節があります。一方、howeverは、一旦文を区切って、次の文の文頭で使われています。

 生徒の書いた英文エッセイを添削していると、butをhoweverのように使っていることが多いのです。つまり、It was raining heavily yesterday. But the ball game was held as scheduled. という具合です。butは、この使い方はできないので、注意が必要です。

 生徒の英文エッセイでは、あまり見かけませんが、逆のケース(howeverをbutのように使う)も不可です。どうしてもhoweverを接続詞的に、一つの文の中で使いたい場合は、セミコロンを使って、つなげることができます。

 It was raining heavily yesterday; however, the ball game was held as scheduled. という具合です。セミコロン(;)は、ピリオド(.)よりは軽く、コンマ(,)よりは重い性質を持ったものです。

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