スピーキングの指導方法


 昨今、多くの大学が「多様性」を意識した生徒募集を行っています。それに伴い、受験の形態も多様化し、英語一つをとっても、以前の「文法読解中心」から「英語4技能」を問うものへと移行しつつあります。

 現に、幾つかの大学では、「英語4技能」の能力を問うために、TOEFLやIELTSを採用しています。またそれとは別に、英語での個人面接を課す大学もあります。実際、私も「英語の面接対策をやって欲しい」と、高校3年生の生徒から頼まれることがあります。

 恐らく私だけなく、多くの英語講師の先生方にとりまして、英語面接やTOEFL、IELTSといった資格試験のスピーキング対策を任される機会が増えているのではないかと思います。そこで本項では、スピーキングの指導方法について論じてみたいと思います。

 英語面接やスピーキングテストで評価を得る上で最も重要な点は「問われたことに忠実かつ簡潔に答えること」です。至極当然のことなのですが、私の指導経験から申しますと、この「当然のこと」ができていない生徒が決して少なくありません。その理由は、大きく2つあります。一つは、質問がきちんと聞き取れていないというケースです。そのため、聞かれたことと違うことを答えてしまうのです。

 もう一つの理由は、「過剰なサービス精神」によるものです。このケースは、質問自体は十分に理解できています。ただ、答える時に、「核心部分」以外のことにまで触れ、話を大きく広すぎてしまうのです。これは恐らく、できるだけ多く、長く話すことで、スピーキング能力の高さを誇示する狙いがあるものと思われます。つまり、多く、長く話した方が、点数が高くなると、生徒が思い込んでいるのです。

 もちろん、attitude「英語を話そうとする姿勢や積極性」は、英語面接やスピーキングテストにおける評価材料の一つではありますが、単に多く、長く話せばいいというものではありません。そこに中身が伴わなければ、高い評価は得られません。むしろ、話し過ぎることで、中身が薄くなってしまうことさえあります。普段の会話においては、どんどん話が横道に逸れていくことはありますが、英語面接やスピーキングテストにおいては、あくまでも「聞かれたことに対して忠実かつ簡潔に答える」という基本を抑える必要があります。我々英語講師は、このことを生徒に周知徹底させる必要があります。

 スピーキングの指導方法で「迷い」や「悩み」を抱えておられる英語講師の先生方は、お気軽にお問合せ下さい。「オンライン英語教室のUB English」の「Teacher trainingコース」では、スピーキングの具体的な指導方法を模擬授業などの実践を通じて学んで頂けます。