英語教師の悩み相談4(Q:英語教師の質問に対して、生徒が黙ってしまった時、どう対処すればいいですか?)


 授業中、英語教師の発問に対して、指名した生徒が黙ってしまうことがあります。こんな時、英語教師はどう対処すべきか。本項では、その対処法を論じてみたいと思います。

 そもそも何故、生徒は黙ってしまうのか。幾つかの理由が考えられます。一つは「考え中」です。聞かれたことに対して考えているから何も答えられない。だから、黙ってしまう。

 次に考え得る理由は、「質問に対する答えがわからない」というものです。「正解」がわからないので、何と答えるべきかがわからない。だから、黙ってしまう。

 こんな時、「わかりません」と答える生徒もいますが、それすら言えずに黙ってしまう生徒がいます。沈黙の状態が長く続くと、授業の進行に響いてきますので、ある程度のところで切り上げるしかありません。

 そこで、英語教師が「難しいですか?」などと振ってみます。そうすると、たいていの生徒は、うなずくか、「はい」と答えます。

 この時、「どこがわからないの?」と、畳みかけるように聞く英語教師の先生がいますが、これはあまりお薦めしません。何故なら、生徒を追い込んでしまう可能性があるからです。

 英語教師の質問に対して、答えがわからず黙ってしまう生徒は、たいてい習熟度の低い生徒です。そういった生徒に、どこがわからないかを尋ねても、答えは出てこないと思います。何故なら、彼らは「どこがわからないか」がわかっていないからです。

 逆に言うと、わからない箇所がわかっている生徒は、ある程度、習熟度の高い生徒であるはずです。「わからない箇所を質問する」というのは、非常に高い次元の行為なのです。

 私はteacher trainer(英語教員指導者)として、生徒である英語教師の先生方に「どこがわからないの?」は愚問だと言っています。この質問をする代わりに、英語講師は予め、生徒がつまずきそうな箇所を予想し、次の対処法を用意しておく必要があります。

 英語教師の質問に対して、生徒が黙ってしまった。その場合、しばらく待った後に「これ、すごく難しいよね」と言って、解説を加えます。その後、生徒が答えられそうな質問をしてあげるといいでしょう。そこで、生徒が答えられたら、「名誉回復」につながります。

 授業で、英語教師が発問し、生徒が答える。こうした双方向のやり取りは、授業に活気をもたらしますので、大いに奨励されるべきです。但し、生徒が答えられない時の備えも重要です。

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