ライティングの結果を左右する「英語教師の添削力」について


 我々英語教師は、英語4技能(リーディング、ライティング、リスニング、スピーキング)に加えて、文法、語彙、発音なども教えなくてはなりません。

 その中でも、特に、指導によって生徒のデキに差が出やすいのが、ライティング(作文)です。

 と言うのも、文法・語彙問題や読解問題とは違って、ライティングは、正解が一つではないからです。

 正解が一つの場合、その答えをどう導くかを指導するだけで済みます。ですので、教え手によって、大きな差は生まれにくい、と言えます。

 一方、ライティングは、一つの正解を導き出すものではないだけに、指導すべきことが多いのです。

 つまり、それだけ英語教師には、高い英語力と指導技術(添削力)が求められる、ということです。それがあるのとないのとで、生徒のパフォーマンスに大きな差が出ます。

 そもそも、英語の授業で、どうやってライティングを指導するのか。まず、ここが一番難しいところでもあります。とりわけ団体授業においては、それが難しい。

 お題を与え、生徒に英文essayを書かせる。その後、生徒全員のessayを回収して、英語教師が一人で数十名の作文を添削するとなると、相当な時間と労力を要します。

 さりとて、生徒同士で添削をさせても、有効なフィードバックが得られるとは限りません。また、自己添削だと、改善点に気付かないままになってしまう可能性が高いでしょう。

 ですので、一番良いのは、ローテーションを組み、数名ごとに課題を出して、英語教師が添削をする、という方法かと思います。

 まず、英語の授業で、ライティングの指導を有効に行うとなると、この「実施方法」の壁を乗り越えなくてはなりません。その上で、実際の添削作業に入っていきます。

 いざ、生徒が書いた英文essayを添削するにあたり、英語教師は何を心得ておく必要があるのか。また、どうやって評価を下すのか。フィードバックはどう与えればいいのか。

 こういったことを知っておく必要があります。そうでないと、ただ、綴りや文法のちょっとしたエラーを指摘するだけで終わってしまいます。

 エラーの指摘も、もちろん大事なことではありますが、あくまでもそれは、添削作業のごく一部分に過ぎません。

 それだけでは、受験問題や資格試験(英検、TOEFL、IELTS等)で、「点数の獲れる作文」が書けるようにはならないでしょう。

 では、「点数の獲れる作文」を書けるよう指導するには、どうすればいいのか。これにはまず、essayの評価方法を知っておく必要があります。

 essayの評価方法は、大きく3つの要素で構成されています。その3つとは、①言語面、②内容面、③構成面です。

 このうち、先に挙げた綴りや文法のエラーなどは、①言語面に含まれます。ここでは、間違いの指摘だけでなく、正しい語法や類語の指導なども行う必要があります。

 次に、②内容面。これは、文字通り、essayの中身です。きちんと、お題に沿ったものが書けているかといった点や、わかりやすく、具体的に書けているかなどを見ます。

 いくら、単語、熟語、構文をうまく織り交ぜた英文が書けていたとしても、内容が本題とずれたものになっていたりすると、writing testでは、良い点数は獲れません。

 その意味で、essayの評価の3要素の中でも、②内容面は、特に大事な要素だと言えます。ここを上手に指導するには、英語教師にcriticalな視点が必要です。

 このcriticalな視点は、様々なトレーニングを通じて、養う必要があります。一朝一夕には、なかなか身に着かないものです。

 そして、もう一つが、③構成面。一般的なessayは、①Introduction(導入)、②Body(主要部)、③Conclusion(結論)の3つの部分で構成されています。

 これらの段落が、きちんと作られているかどうか。昨日のブログでも書いたように、「二重結論」になっていないかどうか、などを見る必要があります。

 文法のエラーは見られない上、内容面でも説得力がある。ただ、一つの段落(Body)の中に、異なるアイデアが混在している。

 こういった場合、一見するとよく書けているように思えますが、writing testでは、高い評価は得られません。

 ですので、添削者である我々英語教師は、この辺りもシビアに見る必要があります。そうでないと、生徒が改善の機会を持てないまま、試験本番に臨むことになってしまいます。

 ライティングは、独学での対策が難しい分野です。それだけに、生徒は、我々英語教師のサポートを必要としています。

 また、そのサポートの巧拙が、生徒のデキを大きく左右するものでもあります。それだけに、添削者である英語教師は、ある意味では、責任重大です。

 「オンライン英語教室のUB English」の「英語教師養成コース」では、ライティングの添削力を養成するための指導を行っております。

 添削力を磨き、生徒によりよいライティングの指導ができるようになりたい。そうお考えの英語教師の先生方、および英語教員志望の方々、まずはお気軽にお問合せ下さい。

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