ライティングテストに「丸暗記」は有効か?


 「ライティングが苦手で自信がない」という人の中に、苦肉の策として、過去問等の模範解答を丸暗記して、本番のライティングテストに臨もうとする人がいるようです。

 果たして、この丸暗記という「戦法」は、ライティングテストにおいて有効なのか。本項では、この点を論じてみたいと思います。

 そもそも、過去問などの問題集に載っている模範解答は、他人が書いたものなので、それを丸暗記して、本番のライティングテストでそのまま書くというのは、著作権侵害にあたります。このブログをコピーして、自分のブログにペーストするのが、著作権侵害であるのと同じことです。

 だったら、ちょっとだけ文言を変えて、内容はほぼ同じ、というのはどうか。これも、ライティングテストでは、ほぼ通用しないと言っていいでしょう。というのは、採点者は、いくつかの模範解答を目にしている可能性があるからです。

 採点者が答案を読みながら、「ん?これ、どこかで見た記憶があるぞ」と思い、調べたところ、ある問題集の模範解答と全く同じであることがわかった。こうして「コピペ」がバレると、ライティングの点数が大幅に下がる可能性があります。

 また、英検なら英検、TOEFLならTOEFL、IELTSならIELTSと、同じ試験で、過去に出た問題と、全く同じ問題が出題されることは、まずありません。ですので、過去問の模範解答を丸暗記したところで、それをそのまま活かせる確率は、ほぼゼロと言えましょう。

 では、自分で書いた作文を丸暗記するのはどうか。模範解答や、他人が書いた作文を参考にしたものではなく、完全に自力で書いたものであるならば、問題はありません。例えば、自分で予想問題を作って、自分の意見を書く練習をしたとします。そして、それを英語講師に見てもらい、添削してもらったものを、丸暗記する。これは、全く問題ありません。

 ただ、ライティングテストにおいて、それが有効かと言うと、少々疑問に思います。何故なら、自分で作った予想問題と全く同じ問題が出る確率は、決して高くはないからです。

 もちろん、類似問題が出ることはあり得ます。その場合、練習で書いたものを覚えていると、ある程度は有効に機能するかもしれません。それでも、全く同じ問題ではないとなると、丸暗記したことを、そのまま書く訳にはいきません。ですので、多少、アレンジしなくてはなりません。この時、丸暗記が邪魔をする可能性があります。

 と言うのも、丸暗記をすることによって、融通性が失われる恐れがあるからです。丸暗記に頼ると、書いた内容や使った語句を思い出すことに注力します。そうすると、そこからアレンジする方法が浮かびにくくなるのです。

 また、丸暗記をして試験に臨むと、その場で考えることを放棄し、暗記してきたことを活用したくなります。そうすると、無理が生じます。予想問題で書いたものを丸暗記し、それを実際の試験で無理やり使おうとすると、どうしても内容が適さなくなってしまうのです。

 予想問題を解く時に、考え出したアイデアを、少し大きな枠でとらえると、別の問題にも使えることは確かにあります。ですので、語句を一字一句暗記するのではなく、アイデア自体を覚えておくことは、ライティングテストにおいて、有効に機能する可能性があります。

 ライティングテストに「丸暗記」は有効か?―この問いに対する回答をまとめますと、「基本的には、丸暗記に頼るべきではない。但し、アイデアはストックしておく」。これが、正しいライティングテスト対策ではないかと思います。

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