50歳を過ぎてから英語講師を目指す方へ(2)


 前項の『50歳を過ぎてから英語講師を目指す方へ(1)』では、たいへん僭越ながら「指導経験の浅さを人生経験でカバーせよ!」と述べました。特に、英語を実際に使ってビジネスをしていた、といった経験は大変貴重で、英語を教える際の説得力にもつながります。

 但し、自身の経験を述べる際、気を付けなければならないことがあります。それは、「自慢話に避けること」です。例えば、海外へ出向いて、クライアントと英語で交渉をして、見事に契約を勝ち取ったといった経験をお持ちだとします。

 そんな方が、「ビジネス英語」を教える時に、具体例を挙げるために、先に挙げた自身の経験を語るのは、非常に意味のあることだと思います。また、それを聞いた生徒は、「おぅ、この先生、すげぇなぁ」と思うはずです。

 しかし、あまりやり過ぎると、段々鼻についてきて、「なんだ、また自慢話かよ」と思われるようになります。こうなると、生徒は先生のことを尊敬しなくなります。授業で自身の経験を語るなら、英語での苦労話や失敗談を入れると、生徒は先生に親近感を抱くようになります。例えば、先の商談で、相手が言った英語表現を理解できず、固まってしまったとか。

 私が、英国大学院で「TESOL(英語教授法)修士」を専攻していた時、卒論の担当教授(イギリス人)が、スペインで英語を教えていた時の話をしてくれたのですが、授業でのある失敗談を語ってくれました。

 それを聞いた私は、「あぁ、教授でも、過去にこんな失敗があったのか」と、ほっとする気持ちになったのを覚えています。同時に、その教授に対して、親しみを覚え、人間的な魅力を感じるようにもなりました。

 講師と生徒の間柄で言うと、どうしても講師の方が立場的に強くなりがちです。加えて、生徒との年齢が離れる(生徒の方が年下)と、授業が硬い雰囲気になりがちです。そこで、先生が、苦労話や失敗談を持ち出すことで、今、英語で苦労している生徒と思いを共感できれば、生徒との距離をぐっと縮めることができるでしょう。ですので、50歳を過ぎてから英語講師を目指す方は、「指導経験の浅さを人間的な魅力でカバーせよ!」というのが、本項のまとめです(またまた生意気な物言いで申し訳ありません)。

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