英語の長文読解が苦手な人が増えている原因


 英検、TOEIC、TOEFL、IELTSといった英語資格試験や大学入試など、英語の試験では必須の「長文読解」。この長文読解を苦手とする人が、最近、特に中高生の間で増えているように感じます。

 長文読解を苦手とする人の多くが、英語だけでなく、日本語の長文読解も同様に苦手としています。

 「オンライン英語教室のUB English」では、「英文読解」というコースを開講しているのですが、授業中、英語の長文を読んだ後に、内容確認のために、訳文を通読してもらうことがあります。その時、その訳文を読む速度が遅かったり、理解度が低かったりすることがしばしば見られます。

 そこで私が「普段、新聞とか、本とか、まとまった文章を読む機会はありますか?」と尋ねると、「ほとんどありません」という答えが返ってくることが、とても多いのです。つまり、長文読解を苦手とする人の多くが、読む量が不足しているのです。

 そして、「空き時間に何をしているか」を尋ねると、多くの人が「スマホ」と答えます。そして、「スマホで何をしているのか」を尋ねると、多くが「YouTubeで動画を見ている」と答えます。

 スマホが登場した当初は、紙媒体の代わりのメディアといった色合いが濃かったため、記事を読んだり、ブログを読んだりしていたのですが、最近はもっぱら動画を見るためのツールと化しているようです。

 実際、若い人が何かを調べたい時に、YouTubeで検索をする人が増えているとのこと。つまり、それだけ動画を見る人が増えているということで、同時に動画の視聴時間も長くなっています。

 YouTubeの動画を視聴する機会が増えたのに反比例して、読む機会は減ってきています。読むにしても、LINEのメッセージなど、ごく短い文に限られます。それだけ、長文を読まなくなっている、ということです。

 つまり、長文読解が苦手な人が増えている原因の一つは、「YouTubeの動画視聴の増加」にあると言えましょう。確かに、長文を読むより、動画を見た方が理解しやすいケースが少なくありません。ですから、今後、ますますYouTubeの動画視聴が増えていくでしょう。

 だからと言って、試験がそれに合わせて変化していくとは思えません。つまり、長文読解の問題が消えてなくなることはないでしょう(少なくとも当面は)。そうである以上、やはり長文読解の苦手を克服しなくてはなりません。

 では、長文読解の苦手を克服するには、どうすればいいのか。これは、もう至って単純なことなのですが、読む量を増やすことです。それをせず、小手先のテクニックでカバーしようとしても限界があります。

 ですので、例えば、1日2時間、YouTubeの動画を見ているのであれば、それを1時間半にし、あとの30分を読むことに費やすなど、時間の使い方を工夫するよう心掛けましょう。例え1日30分でも、毎日続ければ、読解力はアップするはずです。

 今、日常生活で、まとまった文章を読む機会がほとんどないという人が、いきなり英語の長文を30分読むというのは、かなりの苦痛を伴うでしょう。これは挫折の元です。ですので、慣れるまでは、日本語と英語を15分ずつに分けてもいいでしょう。

 日本語であれ、英語であれ、とにかく「読む」機会を設けることが重要です。長文を読んで、内容を正しく理解する。こうした習慣を身につけることが大事ですので、日本語であっても、英語であっても、構いません。

 日本語の本をよく読む人は、読解力が高く、英語の長文読解もあまり苦にしない人が多いと言えます。逆に、日本語の文章(長文)をあまり読まない人は、読解力が低いため、英語の長文も苦手とします。

 長文読解が苦手な人に対して、「YouTubeの動画を見るな!」と言うつもりはありません。見ても構わないのですが、長文読解の苦手を克服するには、読む量を増やす必要があるので、今より少し視聴時間を減らして、その分を「読み」に充てるようにしましょう。

 その際、今の自分のレベルに合った素材を見つけることが重要です。いきなり難易度の高いものを読もうとすると、内容がつかめず、途中で嫌になってしまうかもしれません。難し過ぎず、易し過ぎず、ちょうどいい塩梅のものを選んで読むようにしましょう。

 「オンライン英語教室のUB English」の「英文読解」では、レベルや長さなど、個々の状況に合わせてマテリアル(素材)を用意し、指導経験豊富な日本人英語講師と一緒に読み進めていきます。「長文読解が苦手!」という方、まずはお気軽にお問合せ下さい。