TOEICによく出る「board」の3つの用法


 「TOEIC対策」を担当していて、よく解説するのが「board」の意味と使い方です。TOEICでは、大きく分けて3つの用法があります。本項では、それらを解説致します。

 「board」と聞いて、多くの日本人が真っ先に思いつくのは「板」だと思いますが、殊、TOEICにおいては、この意味では、あまり使われません。せいぜいPart1で「A man is pointing at the bulletin board.(男性が掲示板を指さしている)」と使われる程度です。むしろ、同じ名詞でも、TOEICでは、「役員(会議)」という意味で使われることの方が多いです。例えば、the board of directors「取締役会」は、TOEIC頻出フレーズです。

 この他、boardには、動詞で「(乗り物に)乗り込む」という意味があり、TOEICではよく登場します。例えば、Part1では、「Passengers are boarding the airplane.(乗客が飛行機に乗り込んでいるところだ)」といったものです。

 それにしても、同じ単語なのに、どうしてこうも違う意味や使い方があるのか、不思議に思いますよね。これについては、語源を辿ると、共通点が見えてきます。boardの原義(元々の意味)は、「船の横側にあり、水との境にある板」のことです。船に乗り込む際、その板をステップにして乗り込んでいたのでしょう。よって、「(船などに)乗り込む」という動詞の意味を持つようになったと考えられます。

 また、この派生語で、aboardという単語があります。このaboardは「(乗り物に)乗って」という意味の副詞で、TOEICにも時折登場します。例えば、Part4の機内アナウンスで、機長が「Welcome aboard!(ご搭乗ありがとうございます)」と言うことがよくあります。このaboardの語の成り立ちを見ますと、「a」+「board」です。接頭辞の「a」は、「~の中に」とか「~の上に」といった意味を持ち、形容詞や副詞を作るものです。alive「生きている」やasleep「眠っている」の「a」もこれです。board「甲板」の上に乗っているので、「(乗り物に)乗っている」という意味を持つようになったのです。

 では、「役員会」が何故boardなのか。これは「板」から派生したと思われます。boardには「(会議用の)テーブル」という意味があり、「役員会」は「(会議用の)テーブル」を囲んで話し合いが行われることから、「board」=「役員会」となったと思われます。

 TOEICでは、今回取り上げた「board」のように、第一義以外の意味で使う単語が幾つかあります。「オンライン英語教室のUB English」の「TOEIC対策」では、「TOEICによく出る意外な意味を持つ英単語」をお教えし、スコアアップをサポート致します。ご興味ある方、まずはお気軽にお問合せ下さい。