英語教師に「笑いのセンス」は必要か?


 「おもしろい先生」は、いつの時代でも学生には人気があります。隣の教室から笑い声が聞こえてきた時、うらやましそうに隣の教室の方に視線をやる生徒もいます。こんな時、「自分にももっと笑いのセンスがあればなぁ」と思う先生がおられます。

 では、英語教師に笑いのセンスは必要か。これについて、私の見解は「ないよりはあった方がいい」というものです。ですので、ユーモアのセンスに自信がないという先生も、決して落ち込むことはありません。

 そもそも人を笑わせるのは、お笑い芸人の仕事であって、英語教師がそれを求められている訳ではありません。英語教師は、授業でやるべきことをやり「できないことができるようになった」、「わからないことがわかった」といった「変化」を生徒にもたらすのが仕事です。

 教室から笑い声が漏れている。一見すると、非常に楽しそうな授業ではあります。しかし、「プロ」の視点で見た時に、その授業が必ずしも「良い授業」とは限りません。「笑いのある授業」=「良い授業」となるなら、お笑い芸人が英語教師になった方がいいでしょう。

 もしかすると、教師が授業とは無関係な雑談をして、生徒を笑わせているだけかもしれません。確かに、生徒にとっては「楽しい授業」でしょうし、またその先生は「おもしろい先生」ということになりましょう。

 しかし、授業と無関係な雑談で多くの時間を消費し、授業内容に教育的な視点が抜け落ちていたとすれば、それは決して「良い授業」とは言えません。先生が心掛けるべきなのは、「(笑いのある)おもしろい授業」ではなく、「(教育的な面での)良い授業」です。

 あくまでも「良い授業」を展開するよう努める。その中で、授業のおもしろさから意図せぬ形での笑いが起こるというのが、むしろ理想と言えましょう。

 冒頭でも述べたように、「おもしろい先生」は押しなべて生徒に人気があります。しかし、「おもしろい先生」=「良い先生」(「良い授業」をする先生)とは限りません。本項をお読みの先生方には、ぜひ「良い先生」を目指して頂きたいと思います。

 英語教師は「授業で如何に笑いを取るか」や「生徒の人気を如何に獲得するか」といったことを考える必要はありません。「オンライン英語教室のUB English」の「Teacher trainingコース」は「笑いを取れる先生」ではなく「良い授業をする先生」の養成に主眼を置いています。「良い授業がしたい!」と考える英語教員の先生方、および英語教員志望の方々、お気軽にお問合せ下さい。