英会話の指導方法


 リスニングやスピーキング、英会話といった「コミュニカティブ」な授業は、もっぱらネイティブ講師に担当させるというのが、日本の英語教育における一般的なスタイルです。しかし、本当にネイティブ講師との授業が有効なのかは、検証の余地があるように思います。

 ネイティブ講師と日本人の生徒の英会話の様子を見ていますと、「講師中心」になっているケースが少なくありません。授業の大半を講師が好きに喋って、生徒はひたすら聞き役に回っている。「こんな授業で生徒は英語を話せるようになるのか?」と疑問に思います。

 そもそも初心者の生徒が、無理にネイティブ講師と英会話をする必要はないと思います。言いたいことが言えず、質問もできない。これでは、英会話力が身に着くはずもありません。結局、ネイティブ講師との英会話を諦め、日本人英語講師の元にやって来るのです。

 初心者の生徒に対して「English Only!」は厳し過ぎます。やはり「理解を伴う英会話のレッスン」でなくてはなりません。例えば、生徒が質問を理解できない場合は、平易な英語に言い換える。それでもダメなら、日本語で説明する、といった具合に。

 生徒にとって、英会話のレッスンを受ける理由は何か。それは「英語が話せるようになりたいから」です。そうである限り、講師は生徒に英語を話す機会を与えなくてはなりません。つまり、講師は生徒の話の「引き出し役」に徹するべきだということです。

 レッスンでは、あるテーマを決め、講師が生徒に質問します。それに対して、生徒が答える。そして、その答えに対してFollow-up questionsを投げかける。こうして、どんどん生徒に話をさせることが重要で、これこそが「生徒中心」の授業だと言えます。

 生徒の発話中、文法や語法のエラーが生じることがありますが、基本的にスピーキングの授業においては、話の内容を重視すべきです。話の中身が質問に沿ったもので、多少のエラーはあれども、理解に支障がない場合は、そのまま話を続けさせるべきだと思います。一旦話が途切れた時点で、エラーを暗示的に修正する。或いは、授業の最後の5分間で、文法のおさらいを日本語で行う手もあります。いずれにせよ、ネイティブ講師に見られがちな「講師中心」の授業はしないこと。生徒に話させ、スピーキング力を伸ばすのが、我々日本人英語講師の役割です。

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