授業計画を練るにあたり、多くの英語教員の先生方は、アクティビティ(活動)のアイデアを出すことに多くの時間を費やします。つまり、「(授業で)何をやるか」ということにフォーカスしがちであるということです。
その一方で、それぞれの活動の目的や根拠を尋ねると、言葉に窮してしまう先生が少なくありません。つまり、「何故、その活動をするのか?」については十分に考慮されていない、ということなのかもしれません。
現役英語教師の先生方は、非常に忙しくされていて、授業準備に充てられる時間に限りがあることは重々承知いたしております。ですから、「とりあえず授業時間を埋めること」に意識が行きがちになることは致し方ありません。そのことを承知の上で、敢えて言わせて頂きますと、「良い授業をするには授業計画を練り上げる必要がある」ということです。
単に「今までずっとやってきたから」というだけで、その成果を十分検証せず、ひたすら同じ活動を続ける先生が時々いますが、これでは授業を改善させるのは難しいでしょう。また、若い先生の中には、流行りのメソッドをやたらと採り入れたがる先生がいますが、これも「ただ流行っているから」というだけで採り入れるのではなく、そこには十分な根拠がなくてはなりません。
では、活動の目的や根拠とは、具体的にどんなものなのか。「リスニングの指導方法」の項で挙げた活動を例にとり、考えてみたいと思います。
「リスニングの指導には、大きく3つの要素がある」と述べました。そのうち、最初に来るのが「内容把握」です。何故、「内容把握」を一番に持ってくるかと言うと、「聞く」という行為そのものの本質をとらえたものだからです。相手の話を聞く時、人は誰しも、その話の中身をつかもうとします。つまり、リスニングの本質は「内容把握」だということです。
とはいえ、リスニングの精度を上げるには、語彙や語法の知識がなくてはなりません。また、音を正確に拾う必要があります。会話文のディクテーションを通じて、語彙、語法、発音の確認および強化を図る。これが、「内容把握」の後に「精聴」を持ってくる根拠です。
このように、授業で行う活動については、それぞれに目的や理由、根拠が存在します。それらを可視化することが、授業の成果を出す上でたいへん重要になります。「オンライン英語教室のUB English」の「Teacher trainingコース」では、活動の根拠を考えながら授業計画を練るトレーニングを行います。ご興味ある英語教員の先生方、まずはお気軽にお問合せ下さい。