中高英語教員に「英検1級」は必要か?


 中学、高校の英語教員の英語力の伸び悩みが指摘されて久しくなります。2017年現在で、「英検準1級」を持っている英語教員の割合は、中学校で3割強、高校で6割強にとどまっています。

 では、その上の「英検1級」はどうかと言うと、データがないので、はっきりした数値は不明ですが、恐らくその割合はかなり低くなることが想像できます。中学校だと、「英検1級」を持つ英語教員の割合は、全体の1割程度かもしれません。

 中高英語教員の目指すべき英語力の目安として、文科省は「英検準1級」(又はTOEIC730点)を挙げています。つまり、「英検準1級」は英語教員には必要と見なされている訳です。では「英検1級」はどうか。この必要性について論じてみたいと思います。

 中高英語教員に「英検1級」は必要か。この問いに対する私の答えは「No」です。但し、「あった方がいい」という注釈が付きます。「必要か否か」の問いに対しては「No」でも、中高英語教員は「英検1級」を持っておいた方がいい。その理由は3つあります。

 一つ目は、「生徒に威厳を示せる」という点です。生徒はよく「先生、英検何級持ってんの?」といった質問をしてきます。その時、「1級持ってるよ」というと、「おぅ、すげぇ」となる。これだけで優位に立てます。

 二つ目は、「説得力が生まれる」という点です。先生は生徒によく「勉強しろ!」と言います。そういう先生が勉強していないと説得力がありません。「英検1級」を持つこともさることながら、それを目指して先生自身も勉強する。この姿勢こそが大事だと思うのです。

 三つ目は、「成功体験が得られる」という点です。「英検1級」は決して楽に取れるものではありません。懸命に努力してようやく辿り着ける「最高峰」です。「自分は努力して、てっぺんを獲ったんだ!」という成功体験。これが教師としての幅を広げてくれるのです。

 「英検1級」に出題される語彙は、非常に難度が高く、日常会話で使うこともなければ、授業で教えることもない。だから、中高英語教員には「英検1級」は必要ない、とおっしゃる先生もおられます。確かに、その通りです。

 それでも、上述の通り「英検1級」を持っていることのメリットは少なくありません。「オンライン英語教室のUB English」では「Teacher trainingコース」に加え、「英検対策」を通じて、英語教員の先生方の「英検1級」奪取のお手伝いをさせて頂いております。ご興味ある先生方、まずはお気軽にお問合せ下さい。