どうすれば英文を速く読めるようになるのか?


 「私、英語を読むのがとっても遅いんです」。これ、私共のところへ来られる方からよく聞くお悩みの一つです。そして「どうすればもっと英語を速く英語を読めるようになりますか?」とお尋ねになります。本項では、このテーマについて論じてみたいと思います。

 この質問をされる方の多くが、英語を速く読むには何か特別なテクニックがあるのだろうと考えがちです。つまり、「その技を教えてくれ」というのが、隠れた本音かと思います。

 速読のテクニック。これは、「ありそうでない」というのが実際のところだと私は考えます。事実、SLA(第二言語習得)などの研究でも、速読には限界があると結論付けているものも多く見られます。

 例えば、ソースの詳細は失念しましたが、ロシアの歴史に関するarticleを読ませる実験が行われました。その実験では、articleの両端を伏せて、中央部分だけを読むというものです。それで果たして内容をどれだけ正確につかめるかを調べたのです。読んだ後、何について書かれたものかを尋ねたところ、「It was about Russia.(それはロシアについてのものでした)」と、極めて大雑把な内容把握しかできていなかったことがわかったのです。

 この他、英文を読んでいると未知語(意味を知らない語)に遭遇することがあります。その際、英語教師の中には、「わからない単語は文脈から類推しなさい」という先生がいます。しかし、未知語の類推についても、SLAの多くの研究では、非常に困難だとしています。

 未知語の類推が可能となるのは、記事全体の98%以上の語が既知語(既に知っている語)である必要がある、と。つまり、未知語が全体の2%以下でないと、文脈から未知語の意味を正確に類推することは不可能だということです。

 これが何を意味するかというと、英文読解には、高い語彙力が必要だということです。記事中のほぼ全ての単語を知っている。また、表面的な知識だけでなく、第二義、第三義も知っていて、なおかつ語法もよく知っている。こういった状態で、はじめて正確な英文読解が可能となり、ひいては速読も可能となるのです。

 ですので、本項での結論としましては、英語の長文を速く読めるようになるには、相当に高い英語の語彙力を身に着ける必要がある、ということです。「オンライン英語教室のUB English」が開講している「英文読解講座」では、語彙力強化を図りつつ、精読を含めた英語の長文を読みこなす練習を同時進行で行います。それにより、正確な内容把握に加え、読むスピードを少しずつ高めていきます。ご興味ある方、まずはお気軽にお問合せ下さい。