リスニング力を伸ばすための「正しい努力」とは?


 「読めばわかるのに、聞くとわからない」。こんなもどかしい思いをする日本人英語学習者が少なくありません。これは、英語を「音」からではなく「文字」から入ってしまったために起きる現象です。

 では、どうすればいいのか。とにかく英語を聞きまくればいいのか。確かに、リスニング力を伸ばすには、英語を聞く絶対量を増やすことは、とても大事なことではあります。とはいえ、「乱読」ならぬ「乱聴」をしても、思うようには成果は上がらないでしょう。

 「英語が聞き取れない!」を解消するには、「正しい努力」を施すことが重要です。では、リスニング力を伸ばすための「正しい努力」とは、いったい何なのか? 本項では、この点を論じてみたいと思います。

 第一のステップは、現状を正しく把握することです。今のリスニング力はどの程度のものなのか。つまり、発話速度や文の長さなど、どの程度のものなら、正確に聞き取れるのか。これを正確に把握する必要があります。

 その上で、適切なリスニング教材を選びます。これが、第二のステップです。リスニング教材の活用方法については、『リスニング教材の活用方法<7ステップ>』をご参照頂きたいのですが、とにかく大事なのは、「ただ聞くだけ」に終わらせないことです。

 「英語が聞き取れない!」と嘆く方や、リスニングの苦手意識を払拭できずに、途中で挫折してしまう方の多くが、ここまでのステップを正しく踏めていないのです。

 例えば、第一のステップである「正しい現状把握」ができていないために、自分に合っていないリスニング教材を選んでしまう。そのために、「聞き取れない」、「訳がわからない」といった苦痛だけを味わうことになる。だから、挫折してしまうのです。

 逆に言うと、第一のステップをクリアできれば、第二のステップでは、それほど苦痛には感じないはずです。そうして、着実に「聞き取れた!」、「理解できた!」といった「成功体験」を積み重ねることができれば、いつしかリスニングへの苦手意識は消えているはずです。

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