「関係詞のthat」と「接続詞のthat」の違い


 「基本英文法」や「英文読解」、或いは「中学英語のやり直し」などの講座を担当していますと、生徒から「thatって「あれ」以外にも、色んな使い方があるんですね」という声をよく耳にします。

 そう、確かに、中学英語で最初に習うthatは「あれ」という意味の指示代名詞です。その後、「関係詞のthat」や「接続詞のthat」も出てきます。この辺りで混乱する生徒が多いので、本項では、「関係詞のthat」と「接続詞のthat」の違いを論じてみたいと思います。

 まず、「関係詞のthat」。例を挙げると、Tomorrow I will go to a small café that is popular with local customers. といった文。途中に出てくるthatは、関係詞(関係代名詞)です。意味は、「明日、地元客に人気の、とある小さなカフェに行きます」。

 次に、「接続詞のthat」。例を挙げると、I know that the small café is popular with local customers. といった文。この文に登場するthatは、接続詞です。意味は、「私は、その小さなカフェが地元客に人気があることを知っています」。

 この2つの違いがどこにあるか。一番大きな違いは、直前の語です。「関係詞のthat」の前には名詞(=先行詞)があるのに対し、「接続詞のthat」の前には動詞があります。ですので、前に先行詞に当たる名詞があれば関係詞、なければ接続詞ということになります。

 また、もう一つの違いは、「関係詞のthat」は「主語」(主格)になり得るのに対して、「接続詞のthat」は「主語」にはなれません。ですので、「接続詞のthat」の後には、必ず節(=SV)が続きます。

 実際、先の例文をご覧頂くと、「関係詞のthat」の後にはis(動詞)が来ていて、thatは主語の働きをしています。それに対して、「接続詞のthat」の後には、the small café isと節が続いています。

 ただ、「関係詞のthat」は目的格(例:This is the café that I visited yesterday.「これは私が昨日訪れた例のカフェです。」)にもなれるので、その場合は、後に節が続きます。それでも、前には必ず名詞(先行詞)があるので、そこで「接続詞のthat」と区別できます。

 如何でしたか?「オンライン英語教室のUB English」の「基本英文法」では、「関係詞のthatと接続詞のthatの違いを教えて!」などのご質問や、個別のご要望にお応えし、苦手な文法項目をピンポイントで学んでいただけます。ご興味ある方、お気軽にお問合せ下さい。