『ハートで感じる英文法』の著者・大西泰斗先生(東洋学園大学教授)は、常々「英文法は、理屈を覚えるのではなく、感覚で身に着けよ」とおっしゃっています。
従来の英文法の学習方法はと言うと、仮定法や関係詞など、文法項目別に理屈や型を覚えて、試験問題に正答できるよう知識を備えるというのが一般的でした。大西先生の主張は、それをある意味では根底から覆すようなものです。
英文法を感覚で身に着ける。これについて、現場の英語講師の間では、賛否が分かれています。この件についての私の立場は、「一長一短あり!」というものです。本項では、「英文法を感覚で身に着ける」ことの長所と短所について、論じてみたいと思います。
まず、多くの英語学習者にとって、英語学習の最終ゴールは、英語という言語を「体得」することにあります。「体得」というのは、文字通り「体で覚える」というものです。理屈は頭で理解しているけれども、それが自動化されておらず、使いこなせない。これでは「体得した」とは言えません。
よく、語彙力、文法力があり、英語の長文を読みこなすのも苦にしないのに、とっさの場面で英語が出てこず、英会話が成立しないと言って、悔しい思いする人がいます。これは英語が「体得」できていない証拠です。逆に、理屈を頭に詰め込むのではなく、感覚で身に着けてしまえば、「体得」に至りやすいのかもしれません。
また、「英文法」=「難しい」といった固定観念を持った人が少なくありません。そして、その先にあるのが「英語嫌い」です。「型」を暗記したり、理屈を聞いて理解したり、といったことをしているうちに、「難しい」、「めんどくさい」といった思いになる。これが「英語嫌い」を生む要因ともなり得ます。その点、「英文法を感覚で身に着ける」という新しい学習スタイルなら、その苦痛が少なく、「英語嫌い」にならずに済むかもしれません。
ただ、「英文法を感覚で身に着ける」という学習スタイルは、「汎用性」という点で、やや疑問が残ります。学習者の中には、従来のように、きちんとした解説を受け、理屈を解さないと納得しないという人もいるはずです。そういうタイプの学習者にとっては、「型」を覚えたり、「理屈」を理解したりする方が、感覚に依存するより、早く習得できるでしょう。
如何でしたか?「オンライン英語教室のUB English」が開講する「基本英文法」では、生徒個々の理解度や学習スタイルに合わせて、「理屈」と「感覚」のバランスをとるようにしています。ご興味ある方、まずはお気軽にお問合せ下さい。